ねじまき士クロニクル

名もない整備士のつぶやき

西日本豪雨 砂防ダムで安心?

  前に、西日本豪雨の災害に関して呉のとある地区の被災者がテレビのインタビューに答えているのを見ました。

 「砂防ダムを早く作って欲しい。安心して暮らすために。」

 そこの地区は土石流でかなりの被害を受けて、集落の住民の半数は引っ越したそうです。愛着ある土地を離れたくない気持ちもわかります。災害を恐れて離れる気持ちもわかります。行政にインフラ対策を求める気持ちもわかります。

 ただ、インフラを作れば安心して住めるという気持ちだけは理解できません。平清盛でもない限り地形そのものを変えてしまうことはできません。もちろん湯崎英彦でもできません。山際に住めば崩れてくるし、海沿いに住めば高潮、川沿いの平野部に住めば洪水。100%安心な場所などありません。そして災害が起こり易い場所があるということも過去の歴史が証明しています。

 それなのに砂防ダムで安心できると思っているなら、また同じような雨で同じような被害に遭う可能性が高い。そこの集落に限らず、実際に崩れた斜面を見れば、コンクリで固めて砂防ダムを造れば安心安全ということは絶対に有り得ません。緊急時には適切な場所に避難することが第一です。被害に遭った場所を復旧させることはもちろん大切ですが、何よりもそこの土地がどのような場所なのかを知り、上手く利用していくことが大切なのでは。それこそ、安心して暮らすために。

 

  

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江田島市切串 大歳神社の慰霊碑 枕崎台風で145名が亡くなった

 先日、江田島の古鷹山へ登山に行きましたが通行止めでした。林道沿いに見える砂防ダムは砂で満たされ道路は陥没していました。登山道も土砂で埋まり途中で引き返しました。復旧にはまだ何年かかかりそうです。もしも砂防ダムが決壊していたら…

 

 

 

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宮島 弥山登山道 紅葉谷コース 庭園風砂防ダム

 弥山に登るなら紅葉谷コースがおすすめです。自然災害や野鳥や歴史に思いをはせながら、すれ違う人にあいさつして行きましょう。

 

 『昭和20年9月17日における呉市の水害について』という報告書は現在、電子データとして見ることができます。検索すれば読めてダウンロードもできます。呉市民必読だと思うのですがどうでしょうか?過去の埋もれた情報を知るにはとても恵まれた時代です。それを活かせるかどうかは別にして。