ねじまき士クロニクル

名もない整備士のつぶやき

去勢の猫の島

 瀬戸内海にある島はそれぞれ歴史や特色があります。

特攻兵器の基地だった島だったり、検疫所があった島だったり、ハンセン病患者を隔離するための施設がつくられた島だったり、観光のためにベネッセが開発した島だったり、阿波の国に行くときの通り道だったり、原発が作られそうな島があったり…数え上げたらきりがありません。

 中には海で隔絶された地形を生かして?野生動物が繁殖している島もあります。広島で野生の動物と触れ合える島で有名なのは、ウサギで有名な大久野島でしょうか?それとも広島市似島の猫でしょうか?

 

 愛媛県の青島。面積は0.5㎢。報道によると住んでいる人の数は14人。その島民の数に対して10倍もの猫がいるということで、猫好きにはたまらない島になっているそうです。報道で初めて知りました。

 

 ネコが多い島として有名な愛媛県大洲市の青島の住民は20日までに、公益財団法人「どうぶつ基金」(兵庫県)や市の支援を受け、島の全てのネコの不妊・去勢を目指す方針を固めた。

 青島にはネコが約130匹すんでいるが、仮に全てのネコへの不妊・去勢手術が成功すれば、外部から新たに連れてこない限りは増えることはなく、将来的に減っていく。

 島のネコは島民でつくる「青島猫を見守る会」が世話しているが、青島の人口は13人(1月末現在)と少なく平均年齢も75歳以上と高いため、会は昨年7月、将来的な世話が難しいことを理由に、全てのネコの不妊・去勢に向けた支援を市に求めていた。

 会や市によると、手術は「どうぶつ基金」を介する獣医師らが渡航して行い、時期は未定という。市は獣医師の渡航・宿泊費用など約40万円を負担する方針で、経費を2018年度当初予算案に盛り込んだ。

 青島のネコは住民が発信した観光資源ではなく、テレビやインターネットの情報拡散で13年から人気が高まった。現在は世界中の人々が島へ見物に訪れる。

 

愛媛新聞 2018年2月21日

 

 すべての猫に去勢、避妊手術が完了すれば島の猫は増えることはなく減る一方になります。痴漢の常習犯でも去勢はされないのに、島で猫が増えすぎたから去勢というのはやはりかわいそうだという気しかしないです。誰かが、今まで観光で島に行っていた人たちなどが猫を引き取ってくれたら良いのかもしれませんが、たぶんそれもできないのでしょう。悲しいですがそれが現実です。

 『猫がたくさんいる島』という所がおそらく大事です。青島は住民のための島ではなくなっていたのでしょう。ネットでは青島に観光に行った旅行者の情報もありますが、瀬戸内海の猫がたくさんいる小さな島にわざわざ世界中から観光に来る意味があるのかどうか私にはわかりません。写真映えは良さそうですが。確か私の地元にも無人島がいくつかあったと思いますが、そこに猫をたくさん放し飼いしたら観光客が来てくれる…?

  『ロビンソン・クルーソー』という小説があります。難破した船から物資を運び出した時に1匹の犬と何匹かの猫も見つけて無人島で仲良く暮らすことになりました。かの有名な無人島生活の中で、犬は死ぬ時までロビンソンの良き相棒でしたが、猫は繁殖を繰り返して終いには半野生化し、ロビンソンの貴重な食料を狙うようになりました。繁殖動物の本能ですから仕方ありません。繁殖した猫たちに対してロビンソンがとった行動は…猫殺しです。確か、海中に沈めて子猫を殺していた描写があったと思います(銃弾は貴重だったので)。猫を食べない現代の日本では、さすがにこれは許されませんが動物と人間(と島)の関わりを考えるヒントにはなり得ます。。

 去勢というのはもしかしたら動物にとっては自分が殺されるよりもつらいことかもしれません。ロビンソンは自分の生存のために食物を食い散らかす猫を殺すことを選びました。時代や場所によっては、ただ猫を殺すくらいなら食べ…そういう場合もあります。かつては日本でも。もしかしたら人間を捕食者として考えるとそちらの方が健全なのかもしれません。

 都会では得られない猫にまみれた自然の空間をどこか遠い瀬戸内海の島に求める。それがいいかどうかわかりませんが、現状では島で飼える限界を越えているような状況です。ウサギで有名な大久野島は休暇村があるくらいなので紛れもない観光地(無人島)ですが、青島は島民の数から考えても元々観光地ではありません。そして青島はかなり小さな島です。猫一匹当たりに換算すると4㎡以下の面積です。それでも100匹以上の猫が生きていけるということは…今はもう誰かが外から食料をあげないと無理な話かもしれません。

 広島の似島の住民に聞いた話ですが、週末に本土から猫を捨てに来る人たちもいるそうです。これからの青島は?