ねじまき士クロニクル

日向の窓にあこがれて

広島空港の素敵な立地

 お隣の岡山、山口は新幹線も道も広島とは対照的に平野が多い印象です。広島は割と山深い土地です。

 新幹線を利用して岡山~広島間を利用すれば、福山~広島はほぼトンネルです。

 広島を横断する国道2号線を走れば、市街地を除けば福山~広島はほぼ山の中です。

 広島を横断する山陽自動車を夜間走れば、福山から西へ山の中に入るとかなりの確率で霧が出ます。

 

 そして広島の空の玄関口、広島空港。利用したことがある人にはご存知だと思いますが、霧が出やすい幻想的な場所にあります。飛行機か新幹線かの分かれ目になるのが4時間だと言われています。広島から東京まで新幹線で4時間ですが、飛行機よりも便利が良い新幹線の方が利用者が多い状況です。私も飛行機に乗る際は霧を見たくないので、東京へ行く際は新幹線です。

 なぜこんな場所に広島空港が?それはあの山の中に丁度、都合よくたまたま飛行機の離着陸に最適な土地があったから、ではありません。すべての広島県民に平等でありますようにと、広島空港は広島県の真ん中に近い場所に作られました。結果、広島空港を利用する人が平等に不便になりました。三原の人には便利かもしれませんが、三原には新幹線が止まるのでそれでいいかと思います。いや、そもそも三原市内からも広島空港へは不便です。さらに東の福山の人に配慮して中心に造ったのかもしれませんが、広島より100キロも東京に近い福山の人は、東京へ行くときには新幹線を使うはずです。

 立地だけではなく、交通手段も貧弱です。空港の最寄り駅からバスで行くか、様々なターミナルからバスで行くか、好き勝手に自家用車で行くかという感じです。もちろん自家用車で行けばしっかりと駐車料金を徴収されます。山陽道で事故や渋滞があれば間に合わない可能性もあります。空港を魅力あるものにするために、商工会や行政も頑張っているようですが、そもそも魅力のない立地では限界があります。そして霧で危ない空港でもあります。平成27年4月アシアナ航空が事故を起こした際は、もちろんパイロットに問題があったことも確かですが、立地も事故の遠因になったのでは…?

 県庁が作成した資料に「開業以来のアクセスの問題…」とありました。これを見てちょっと笑いました。開業してからすでに四半世紀が過ぎています。開業以来、空港への定時制の確保と所要時間の短縮が課題ですが、物理的に立地が変わらない限りこれからもずっと課題です。鉄道を空港に乗り入れようにもJR西日本が敵に塩を送るとは思えません。あの場所に作った人を恨むしかありません。誰も責任は取りません。

 どうせ大規模に山を切り開いて空港を作るなら、広島市の近くでどこか良いところがあったのではないかと思いますが…後の祭りです。空港の場所を決めたのも、アストラムラインの建設を決めたのも、広島でのアジア大会の立候補が決まったのも、1980年代前半のほぼ同じ時期の様です。もしも佐伯区や安佐南区の比較的、市街地に近い場所にあれば…そしてアトムもJRと繋げて…そしたらビッグアーチの交通アクセスの問題も…とはただの妄想ですね。 広島空港の年間の利用者が約300万人弱で、そのうちの7割が羽田線ということです。新幹線で行ける場所に飛行機を使うのは燃料がもったいない気がします。これからの日本のインフラを考えるなら、「エコ」を謳うなら、東京へ行くのには飛行機よりも新幹線を…これはただの独り言ですね。

 「ローマ人の物語」のインフラに関する話を読んで少しだけ広島空港について考えましたが、公共の精神があったならば絶対にあの場所に空港は建てなかったはずです。公共の精神があったなら…