ねじまき士クロニクル

日向の窓にあこがれて

満員電車はなぜ満員なのか?

 あれだけ列車網が充実していながら都市部は満員電車。人口の集中が鉄道会社の容量を越えているのでしょうか?満員電車は痴漢には天国かもしれませんが、一般市民にはとてもつらいものです。慣れればいいのかもしれませんが。私は小心者の草食系なので関東で何かあるときは、関が原を越えたらドキドキし始めて、箱根を越えたらもうダメです。西が恋しくなってしまいます。満員電車の乗り方、降り方、社内での過ごし方、すべてがわかりません。満員電車に乗る前日から憂鬱です。エレベーターで無意識に片側を塞いでしまう可能性すらあります。そして満員電車に乗っているときには世の中のすべてを恨みたくなってしまいます。

 満員電車は今に始まった問題ではありません。大都市ではそれこそもう何十年もこの問題に悩んでいました。当時は改札での渋滞が大きな問題になっていました。昔は切符を一枚一枚駅員さんがパチパチしていた訳です。いくら駅員さんがベテランでもさばける人の速さには上限がありました。今から50年以上前…満員電車に悩む近鉄から「新しい機械を導入して混雑を解消してほしい」と相談を持ち掛けられたソニー松下電器日本電気などの大企業は採算が取れるかわからない新規事業に乗り気ではなかったということです。打診に応えたのは今では医療関係でお馴染みの?オムロンでした。(当時は立石電機)当時は比較的小さな会社だったので近鉄側も本当にできるかどうか疑心暗鬼だったそうです。オムロンは自動車関係の部品も作っているので私にはそっちの方がなじみが深いです。なおオムロンは京都の御室が語源のようです。

 とにかく、ここで初めて「自動改札機」が登場しました。既存の駅では抵抗があったので新駅で試験的に行いました。大阪万博を控えた1967年の北千住での出来事です。

  オムロンはラッシュの人波をさばくためにまずは定期券専用の券売機を作成。それでも慣れない券売機にお客さんは切符を横向きに入れたり、定期券じゃない切符を入れたりトラブルが多発したようです。それでも開発陣はめげません。子どもと遊びに行った場所で、川に流れる一枚の竹の葉が、岩にぶつかって向きを変えたところにヒントを得て機械を改良、あえて機械の中に障害物を入れることで、どんな向きで切符を入れても正しい位置になるように調整したそうです。そう言えば物心ついてから切符を横向きに入れたことがありません。今度電車に乗った時に試してみてもいいですかね?

 オムロンは同時に、遊園地のように入る度にガラガラと回すゲートではなく、常時開いていて異常があったときだけ閉まるゲートも開発。人がきちんと通ったことを認識するセンサーも開発。磁気を塗った切符も開発。これらは今では当たり前の、なくてはならないものになっています。

本当は、『切符は必ず縦に入れてください』というような制約を加えれば、メカはもっと楽になったはずです。でも、お客さんに不便はかけられない。ましてや技術者の都合でつくってはいけない。唯一、その手で切符を投入口まで運んでもらうことだけはしていただくけれど、それ以外は一切不便はかけないものにしたいと思っていました」

  オムロンにより自動改札機が発明されたことによって改札の混雑はまちがいなく減りました。改札は渋滞するものではなく、さっと通り過ぎるものになっています。磁気の切符を経て、今ではかざせばピッと反応してくれるICカードが一般的です。それでも満員電車は満員です。人口の集中が激しく対処のしようがないのかもしれません。そりゃ施設が整っていないところに、タワーマンション建てたり団地建てたり無理やり集中して住んだら満員電車にもなるし、保育園も足りなくなるよなと思うのはたぶん私が地方に住んでいるからでしょう。

 他の面で対策しようにも日本全体では少子化が加速しているので、これから満員電車解消のための新たな設備投資もされにくいのではないか、というのが私の知り合いのとある鉄道マニアの方の意見です。私は人口の分散や、働き方の多様化、通勤時間をずらすことが満員電車の解消につながると思います。と人並みな意見を言っておきます。まぁみんなどうすべきかはわかっていますができないのでしょう。満員電車にまつわるあれこれはもう日本の文化、伝統のようなものなのかもしれんせんね。満員電車はなぜ満員なのか?個人の妄想で解決できる問題ではありませんでした。

  関係ないですが、アマゾンで「電車」や「満員電車」と検索したら痴漢もののエロ漫画ばっかり出てきます。現実と妄想の区別は皆さん大丈夫なんですかね…?伊坂幸太郎の小説で「痴漢は死ね」という言葉がキーワードの話がありましたが同感です。冤罪はかわいそうですが…

 

 

 

こうした技術者魂に裏付けされた田中の執念が導き出した磁気記録の技術は、その後思わぬものを生み出した。世界初の銀行用キャッシュディスペンサー、そしてATM(現金自動預払機)。 現在のカード社会の基礎を築いた立石電機は、社名もオムロンとなり、社員二万五〇〇〇人を超える大企業に成長した。創業者・立石一真に始まる、同社の果敢なベンチャー精神は、いまも若い技術者に受け継がれている。

  その後のオムロンの成長は知っての通りです。こういった技術物を読んでいたら技術者になりたくなってしまいますね。本の結びの言葉が素敵です。

いまは嘱託社員として、電車通勤を続けている浅田。自分が開発した自動改札を通るたび、少しだけ誇らしい気持ちになる。