ねじまき士クロニクル

新種の虫たちが鳴いてる

米原万里 愛の法則

 

私はあらゆる男を三種類に分けています。皆さんもたぶん絶対そうだと思います。

第一のAのカテゴリー。ぜひ寝てみたい男。

第二のBは、まぁ、寝てもいいかなってタイプ。

そして第三のC、絶対寝たくない男。金をもらっても嫌だ。絶対嫌だ(笑)

皆さん、笑ったけどほんとうはそうでしょう。大体みんな、お見合いの時って、それを考えるみたいですね。

男の人もたぶん、そうしていると思いますけれども、女の場合、厳しいんですね。Cがほとんど、私の場合も90%強。圧倒的多数の男とは寝たくないと思っています。おそらく、売春婦をしていたら破産します。大赤字ですね。

 

本の一部だけを抜き出したら勘違いされそうですが、この本はロシア語通訳の米原万里が講演したものを文章にしたものです。一から四章までありそれぞれ独立した構成になっています。

第一章は「愛の法則」

第二章は「国際化とグローバリゼーションのあいだ」

第三章は「理解と誤解のあいだ」

第四章は「通訳と翻訳の違い」 

もしも将来通訳になりたいという若い世代の人がいたら、この本だけではなく米原万里さんのすべての著作は参考になると思います。著者のように思春期を外国で過ごすかどうかは、自分の意思で選べることではないです。しかし、通訳や翻訳の仕方に関して多くのことを学び取れると思います。また「英語」ではなく「ロシア語」の通訳者の本ということも英語重視の国である日本で、本当の意味での国際化を知るために必要です。通訳として日本語というものをとても重視していて、過去に何度かあった知識人たちのの英語公用化論を戒めています。他の著作には資本主義ではない共産主義についての話もよく出てきます。

第二章で著者は国際化について日本の国際化は、国際的な基準に自分たちを合わせていくこと、アメリカが言うグローバリゼーション(国際化)は自分たちの基準を世界に普遍させること、と述べています。そして日本人のいう国際社会とは時代の最先端の国、つまりは経済力と軍事力のある国に合わせているのではないかと主張しています。

第三章は実際の通訳の体験を基にした相互のコミュニケーションについての考察と、人間という生き物のコミュニケーションに対して子供時代の体験を。

第四章は「通訳と翻訳との違い」とありますが実際には子供時代の体験を通した、違う言語と出会った時の心構えのようなものを説いています。

違う時期の講演を一冊にまとめた本なので重複している部分はありますが、異文化を学ぶ上での心構えを知ることができます。通訳をするということは決して言葉喋ればいいということではないということがわかります。

そして、本書の中で繰り返し英語偏重、英語文化偏重の弊害を述べています。英語を話せるようになることは確かに悪いことではありません。しかし、その時代の覇権国の言語だけ学べば世界について知った気になるというは、もしかしたら日本人の悪い特性なのかもしれません。実際に明治時代にもしも英語が日本の国語になっていたとしたら、今のような日本にはなっていなかったと思います。ただでさえ、今と昔で日本語も大きく違うのに、もしも英語を国語にしていたら過去の歴史との大きな決別を意味することになったでしょう。 

愛の法則というタイトルは本の中身と合っていないような気がします。でも中身は文句なしに面白いです。私は著者のファンですが、残念なこと卵巣がんですでに亡くなっています。

 

米原万里の「愛の法則」 (集英社新書)