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観光には向かない 可部の旧道

広島市中心部から北に約20㎞に可部という街があります。

 広島県内に住んでいる人なら行ったことはなくても『JR可部線』や『ガラスの里の近く』『安佐北区の中心地』などのイメージを持っているでしょう。

 もしかしたら『JR可部線』を最近耳にした方もいるでしょうか?2003年に可部~三段峡区間が廃止になりましたが、2017年に可部から2㎞程、駅2つ分ですが延伸して復活する予定です。廃線が復活するのはJRでも初めてらしく、廃線復活の動きがこれから全国の交通政策や街づくりに影響を及ぼすのか、あるいはまったく及ぼさないのか個人的にですが注目しています。

 そしてそのJR可部駅の裏には古い時代の道が残っています。

JR可部駅の裏から根谷川に沿うようにして旧道が伸びています。道が90度に二度曲がる『折り目(桝形)』という機構も残っています。古民家を改装したカフェや、古い醤油屋や酒蔵もあります。広島県でも、宮島や竹原や御手洗や鞆の浦にでも行けば古い町並みも残っていますが、広島市の中心部では原爆により古い町並みが一つも残されていません。可部の古い町並みは貴重なものだと私は思います。

 しかし、その旧道も車の抜け道として利用されています。可部には国道54号線(バイパス)と国道183号線が走っていますが、どこも慢性的な渋滞が激しく、車で走るには向かないが信号がほぼない旧道が抜け道として使用されているというのが現状です。旧道は深川から可部間の最短の道として利用されています。

 

 旧道は車で走るのには向いていません。道幅は狭く車がすれ違うには白線の外へはみ出すしかありません。歩行者のためにガードレールをつけようとしても、車がすれ違えなくなるためか設置されることはなさそうです。川に沿っているためか、それとも道自体の街の防衛のための機能からか、ゆるーく曲がっているので全体的に見通しがいいとは言えません。そして道が直角に2回曲がる折り目の機構もきれいに残っています。それなのに多くの車がかなりの速度で走っています。

 可部駅から旧道を挟んで可部高校がありますが、高校生が旧道を横断できずに苦労している姿を見ます。どうか事故のないことを祈るばかりです。もしもこの旧道で事故が起こっても地元の人は「まさか」ではなく「やっぱり」と思うはずです。新聞も警察もまさかとは思わないでしょう。この旧道の途中に交番も中国新聞もありますから。

 旧道や古い町並みを観光の売り物にするならば、車からの隔離というのが絶対に必要な条件に思えます。上記に挙げた、宮島、竹原、御手洗は古い町並みの中に車がそれほど通っていない街になります。福山の鞆の浦は色んな大人の事情があり紆余曲折ありましたが…

 観光地ではない古い町並みや旧道は、このまま静かに姿を消す運命なのかもしれません。

 

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可部駅近くの公園に、昔の面影を残す燈籠があります。

 

 

 

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きれいに残っている桝形です。広島市民は運転がうまいので事故を起こしません。

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車では通りにくい道でも広島の人は事故を起こしません。

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可部駅の裏です。ゆるくカーブしていて交通量が多いので横断時は注意が必要です。

古い家は思っている以上に少なくなっていました。手持ちの写真が少ないので興味がある方は車に気を付けて行ってみてください。