ねじまき士クロニクル

とある整備士のつぶやき

宇治と言えば抹茶!!

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 それは大きな間違いです。世の中には『宇治抹茶』を語っている商品が多数流通していますが、『京都府宇治市』では原料の茶をほとんど作っていません。宇治市内で茶を栽培しているところを私は見たことはありません。探せばきっと少しは宇治市内に茶畑もあるのでしょう。

 

宇治茶は、歴史・文化・地理・気象等総合的な見地に鑑み、宇治茶として、ともに発展してきた当該産地である京都・奈良・滋賀・三重の四府県産茶で、京都府内業者が府内で仕上加工したものである。ただし、京都府産を優先するものとする。

 

 

公益社団法人 京都府茶業会議所の宇治茶の定義です。これが宇治茶です。産地ではなく製法のようなものです。宇治で作られているとは謳っていません。例え他県で採れた茶でも京都で加工すれば宇治茶の出来上がりです。

 

 実際に茶を作っている地域は京都府で言えば宇治田原町和束町南山城村などです。木津川沿いでも作っているでしょうか…京都府南部の林道をあちこちぶらぶらしましたが、林道の途中の舗装していない道でも展望が開けた場所には突然、うっかり茶畑があったりします。他県では滋賀の信楽、奈良の月ヶ瀬、三重県伊賀市の島ケ原などの道沿いに茶畑を見ることができます。月ヶ瀬は梅の名所でもあり、月ヶ瀬茶の産地でもあります…

 実際に宇治市を車や電車でぶらぶらしてみればわかりますが、旅行者が好きそうな抹茶のお店は確かにたくさんあります、しかし宇治市ではお茶はほとんど作られてはいません。市場にたくさん「宇治抹茶」はありますが「宇治産抹茶」が市場に出回ることはないと思います。

 反対に市町村別の抹茶の生産量日本一を京都と争っている愛知県西尾市は西尾の抹茶と堂々と名乗れる規模の茶畑がそこら中にあります。しかし悲しいですが「西尾」と「宇治」では知名度に差がありすぎます。西尾市は岡崎や安城の南の地域になります。抹茶製品に西尾抹茶の名前入りで使われているのもあまり見ません。宇治も西尾も行ったことがありますが、西尾は宇治ほどの観光客用の施設はありません。抹茶を扱う店があるといっても、大々的に観光客に主張するのではなく、三河の人たちのためのお店といった感じです。ちなみに近くの形原温泉の紫陽花はきれいです。そして大石内蔵助にやられた殿様と縁がある地域になります。

 問題の宇治です。一般的な観光客がイメージする宇治といえば平等院鳳凰堂宇治橋。もしくは紫陽花の三室戸寺。それらがある場所から南東の山を越えた一帯が京都における宇治茶の産地です。宇治茶の定義である地理、気候は宇治市とは明らかに違います。京都と奈良と三重と滋賀の境で作られているのが宇治抹茶です。宇治抹茶の製品を見るたびに、宇治の地名を名乗って大丈夫なのかと心配になります。おそらく大丈夫なのでしょう。商品に大切なのは本質よりもイメージです。京都で作られているかもしれないというのが…大切なのでしょう。

 東京ディズニーランドが東京にないというのはもちろん知られた話ですが、宇治抹茶は宇治で採れた茶ではないです。。。

公益社団法人 京都府茶業会議所