ねじまき士クロニクル

いちごの味に似ている

バイクのバッテリー上がりについて

 整備士として働く中で、お客様や保険会社からの依頼で多くのバイクを出張で、もしくは引き取って修理してきました。その中で最も多かった依頼がバッテリー上がりによるエンジン始動不良です。

 

 冬に乗らず、春に乗ろうと思ってバッテリー上がり。(自然放電)

 キーをONにしっぱなしでバッテリー上がり。

 走行中何らかの原因でバッテリー上がりしてエンジン再始動不可。

 元々バッテリー上がりの車両を、無理矢理エンジンかけて走行中バッテリー上がり。

  

 日本製のバイクのバッテリーは種類にもよりますが1万から2万程かかります。安くない金銭面での負担ややり場のない気持ちを店やバッテリメーカーに向ける方も少なくなく、バッテリーメーカーのGSユアサやフルカワが気の毒に思えたくらいです。バッテリーが上がっているからと言っても、バッテリー本体には問題がないことも多かったからです。どちらかといえば取り扱いの間違いや、他の部品の故障が原因でバッテリーが上がることの方が多いように思えます。

 

 ここら辺の事情がユーザーの方に説明することが難しかったので、私はバッテリー上がりの時、バイクと携帯電話のバッテリーを比べて説明しています。

 

 バッテリー残量100%の携帯電話でも、充電せず使い続けると残量が80%、50%、20%と減っていきます。そして最終的には電源が落ちてしまいます。電源を落とさないためには充電するしかありません。充電することによって使うよりも多くの電気を電池に蓄えることができます。

 バイクの場合もエンジンをかけずにライトONにしていたらバッテリー残量は80%、50%、20%そして0%というようにどんどん減っていきます。しかし10%からでも電源が入る携帯電話と違いバイクの場合はエンジンをかける時に多くの電気を使うので、バッテリー残量が0%や50%ではセルモーターでの始動ができません。例え他の方法で始動できても走行するのに必要な電気が足りず走行中止まる可能性があり危険です。また残量が0%になったバッテリーは充電しても再び100%になりません。この状態は「完全に死んだバッテリー」と言います。完全に死んだバッテリーは交換するしかありません。

 逆に、完全な100%の携帯でも何日かすれば容量が減るのと同様に、100%のバイクのバッテリーも乗らずに置いておけば容量が減り、限度を超えると容量が足りずエンジンがかからなくなります。冬にバイクに乗らず、春になりエンジンがかからないバイクが多いのはこのためです。他に、短距離にしか乗らず、充電される量よりもエンジンを始動する際に使う電気の量の方が多い場合に、バッテリーが上がることもあります。

 

 携帯電話のようにコンセントから充電はできませんが、正常なバイクならエンジンをかけている間はどんどん充電されていきます。バイクの中にはガソリンを使った小さな火力発電所が組み込まれていると考えてください。バッテリーが上がっているバイクは、その中でどこが故障しているのか診断が必要です。発電しているところが壊れているのか、変電しているところが壊れているのか、送電しているところが壊れているのか、もしくは本当にバッテリーが悪いのか…もしもバッテリー以外が壊れている場合は、バッテリーを交換しても無意味です。新品のバッテリーでもすぐにダメになります。原因を正しく把握しないと時間と費用がかかってしまいます。

 

 携帯が充電されていない症状でいきなり携帯の電池を交換する人はいないと思います。スイッチを入れるボタンの故障ではないか、コンセントから電気はきているか、充電ケーブルは使えるかなど調べると思います。それの少し複雑なものがバイクのバッテリー上がりの診断になります。

 バッテリーの交換だけなら簡単な車両もあり、バッテリー上がりの時は自身で交換されるライダーの方もいますが、交換前に本当にバッテリーだけが原因なのか確かめてみてください。もしくはプロに任せてください。何度も何度も何万円かするバッテリーを交換して原因は別だったということではとても悲しいですから。

 

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