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アフリカに関する思考実験

 物理学者は物の理を考える手段として、時おり、思考実験というものを行います。実際には実現する見込みの無い、または、限りなくゼロの近い実験条件を仮想設定して、頭の中で、やりたい実験をやって、何がおこるかを考えてみるのです。そうすると、物事の本質がはっきりとあぶり出されて来ることがあるからです。
 いま、サハラ沙漠以南(sub-Saharan)のアフリカの国々が、つまり、失敗国家か、それにすれすれの国家群が、声を合わせて、「今から先、何も援助してくれなくてよい。自分たちだけでやってみる。皆さん、きれいさっぱりとアフリカから出て行ってくれ。どうなろうと、野たれ死にしてしまおうと、我々自身の責任。WTO (世界貿易機構)、WB(世界銀行)の世話にもならない。」と中国やインドも含めた“先進国”に向かって言ったとしたら、どうなるでしょう? これが我々の「アフリカについての思考実験」です。
 皆さんは頭の中でどんな実験結果を想定なさいますか?「もともと人道的な支援なのだから、アフリカ人の死亡願望には耳を貸さず、出来るだけの支援を続けるだろう。」とお考えになる方々も少なくないかもしれません。つまり、「諸外国は、アフリカ人の要請にも関わらず、アフリカから手を引くことはない。」これが実験結果の予測ということになります。実は、私の実験結果予測も全く同じです。しかし、その理由はまるっきり違います                                                  

 これは、物理学者の藤永茂氏のブログ「私の闇の奥」の「アフリカについての思考実験」の中での言葉です。私は藤永氏の書物やブログから多くのものを学びました。直接の面識はもちろんありませんし物理学を理解できるほどの素養もありませんが、青年海外協力隊に参加してアフリカに行ってみようと決意したのは、もしかしたら藤永先生の影響が大きいのかもしれません。

    アフリカへ行くという覚悟は決めていますが、青年海外協力隊が現地で活動することが、長期的に見て果たしてその地域の発展に本当に貢献できるのかどうか。私は青年海外協力隊に合格した今でも、自動車整備士として私が行くのではなく、そのかわりに現地の人を呼んで日本の技術を教えた方がいいのではないかと時折考えます。もしくは青年海外協力隊に参加する代わりにトヨタやホンダ、あるいはマツダいすゞで働いて新車の一台でも組み立てた方が、いつかは良質な中古車として海外に輸出できるのではないか、そちらの方が途上国に貢献できるのではないかとぼんやりと思うこともあります。世界は日本車であふれていますし、青年海外協力隊自動車整備士が派遣される地域には日本の様には自動車を製造する工場はないでしょうから。

 

    本題に戻りましょう。青年海外協力隊も、日本から飛び出してアフリカで働く日本人も何らかの形で、アフリカの成長に貢献していると思いますが、アフリカの国々の人が「この大陸から先進国の人たちは出ていってくれ」と主張したら先進国の人々はどうするのか、国の活動、企業の活動、ボランティアの活動が途上国にどのような影響を与えているのか。パソコンの前で、携帯電話の前で少しの間でいいから考えてみませんか?

 

 

 

 

 

 

 

 私の思考実験の結果も「諸外国は、アフリカ人の要請に関わらず、アフリカから手を引くことはない」です。ボランティアも企業も国家も手を引くことはないでしょう。理由はいろいろありますが、またの機会に。

 藤永先生の実験結果予測の詳細は「私の闇の奥」にあります。